「嚥下食」と紙の器が作る介護食の未来 ーWASARAが聞く《現場の声》
2022/04/15

介護の現場で実際に求められているものとは

 実際の現場で働く方々、WASARAを使う人達にお話を伺い、これからの社会の姿を考えていく、インタビュー企画《現場の声》をお届けします。
 第二回目は、北九州市八幡東区にある 有限会社月翔(つきと)「嚥下食工房 七日屋」の、清永社長と牟田園(むたぞの)所長。インタビューのきっかけは、「特別支援学校の修学旅行で、WASARAで嚥下食を出したところ、ご家族の方にとても喜んでいただいた」と、牟田園さんからご連絡をいただいたことから。
 嚥下食とWASARA。介護の現場では、いま何が求められているのか。 
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現場の声を聞く

 インタビューでは、嚥下食とはどのような料理かという、初歩の質問から、これまで長年続いてきた「生きづらさ」に、私たちはどのように向き合うべきかというお話しを伺いました。
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今回お話を伺った《嚥下食工房 七日屋》
写真左から、清永社長と牟田園所長
——嚥下食とは、そもそもどのような方のための食事なのでしょうか。
牟田園 まずは嚥下(えんげ)、つまり「飲み込み」が悪くなって、食べ物を食べて、咽(むせ)るようになった方、食べ物をうまく飲み込むことができなくて、いわゆる誤嚥 (※1) をして、誤嚥性肺炎を起こした方とか。あと栄養状態が悪くなった方です。加齢につれて、栄養状態も悪くなるので栄養補給という目的も、嚥下食の大きな役割としてあると思うんです。
※1 誤嚥=食べ物が気道に入ってしまうこと。“誤飲”は、本来飲み込まない物(コイン、電池など)を飲んでしまうこと。
——嚥下が難しくなるきっかけは、どのような原因があるんでしょうか。
牟田園 加齢によることもありますし、疾患によることもあります。
清水社長 喉頭に癌ができたとか。そういうこともあるだろうし。
牟田園 脳卒中で倒れたりとかして、脳機能に障害が残ると、確かに飲み込みが悪くなるんです。それから本当に末期の癌の方とかですね。体力的に食べられなくなった方とか。
清水社長 癌で胃を摘出した術後だったら、一時的に、少量で栄養を摂るためとか、そういう時にも嚥下食は使えるよね。 あとは、歯の治療とか、歯の矯正をしてる時って一時的に硬いものが噛めないじゃないですか。そういうケースにも取り入れられると思います。
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七日屋で作られている嚥下食はひとつひとつ真空パックされており、湯煎などであたためて、美味しくいただくことができる
——七日屋さんが嚥下食を作るうえで、大切にされていることは?
牟田園 まずは危険なく飲み込めて、“誤嚥性肺炎を起こさない”ということが一番大事です。それから、“窒息しない”ことも大事ですので、物性(ぶっせい)、つまりテクスチャーがとても重要になるんですね。
 固すぎてもダメだし、柔らかすぎても肺に入ってしまうので、適切な物性をきちんと見極めて作り上げるというのが一番だと思いますね。それには長年の経験や知識が必要です。
 今は学会で「嚥下調整食学会分類 (図1) 」という、食事の分類ができているので、それに合わせた食事を作る、ということを心掛けています。
 そして、食事ですから、いくら物性が良くても、美味しくないとがっかりしますね。七日屋では新鮮な食材とこだわりの調味料で、とことん「おいしさ」も追及しています。それから、栄養状態も良くなるように、「少量で栄養がしっかり摂れる」という三段階を考えて、作り上げています。
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図1-[ 学会分類2021(食事) , 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 ]
引用:嚥下食工房 七日屋ウェブサイトより (https://nanokaya.jp/about.php)
清永社長 七日屋のパンフレットは、“おいしい”が前面に出ていますが、味よりも前に、嚥下食の“安全”という機能から外れないのが、まず一番です。
牟田園 25年くらい学校現場で嚥下障害のある方々に携わってきたので、嚥下食についてはかなり勉強しました。研修会の場で学ぶこともあるけど、まずは目の前で、召し上がる方の食べ具合を見て、本当にこれは“むせない”のか、食べやすいものなのか、直接学ばせてもらっていました。その方たちが、私の先生です。
——固くて食べにくそうであったりとか?
牟田園 その時は、食べ物が口から出てきますね。今日の撮影に使ったエビチリも、もう少し固くすると、口から出てきます。それは固いから、“食べにくい”、“飲み込めない”。逆に緩すぎて “むせる”ときは、これは緩かったなと判断して、次の日から修正をかける。その繰り返しで今があります。今でも日々調整しています。
——統計などで、最適解が出るわけではないんですね。
牟田園 物性を計る機械はあるので、メーカーさんは、物性検査をしながら食品開発をされています。そういった数値も、製造するうえで、とても大切なのですが、私たちは、自分たちの「感覚」も大事にし、日々官能テストをやっています。
——牟田園さんは、これまで嚥下食の現場でどのような問題点を感じられたのでしょうか。
牟田園 私はもともと北九州市の学校給食の栄養士出身で、通常の小学校給食の仕事を20年ほどやっていたのですが、たまたま異動になって、肢体不自由等の養護学校…今でいう「特別支援学校」に赴任して、嚥下が困難な方に初めて出会いました。
 あの頃の介護食は、日本全国で、食べ物を“切り刻めばいい”という「きざみ食」の時代でした。小学校の児童が食べる給食を、先生方が子供の持ってきたハサミで切って、食べさせる。それでもダメな子は、一人分ずつ、ミキサーにかけて食べさせるけど、呑み込めなくて、むせて、吐き出してしまう。そうしてきざみ食が、壁いっぱい飛び散ってました。それが本当に、最初の衝撃でした。
 給食が始まったと思ったらランチルームで「カチャカチャカチャカチャ」ってハサミの音が10分くらいして、今度はそこから、むせる声がし始めるんです。それで、「なにこれ!?って。これが食事なの!?」って思ったことが、私のきっかけです。
 あの子たちに、苦しまずに、むせずに、楽に、おいしいものを食べさせてあげたい。と思いながらも、悶々とした日々を一年過ごしました。

——学校現場は、かなり壮絶な状況だったんですね。
牟田園 たまたまその時期に、今では嚥下食の第一人者である金谷節子先生を始め、当時、摂食域の錚々たるメンバーが、栃木県の自治医科大で、三日間くらい研修をすることを知ったんです。そこで、校長先生に頼んで、行かせていただきました。
 その研修で、金谷先生から嚥下食の話を聞いたときに、「これだ」と思ったんです。VF(※2) の検査中のビデオも初めて見せてもらって、こうやったらあの子たちが楽に食べられるんだろうと直感しました。
 でも、そこで見聞きしたことを、教育委員会などにすぐにやってくださいと言っても、誰も見向きもしないので。コツコツと自分にできることをやりながら、先生方の中にも、少しづつ仲間を増やしながら、3、4年くらいやっていました。
※2-[VF(ビデオフルオログラフィー)=嚥下造影検査]
バリウムなどの造影剤を含んだ食事をX線透視下で食べてもらい、透視像をビデオやDVDに記録し、嚥下運動や適切な食形態を評価・診断する検査。
——学校では、そういった食事の実態は問題にならなかったのでしょうか。
牟田園 保護者の方が、食事の介助の手が足りてない、食事の内容もどうかしてくださいという内容を、市議会まで陳情に行ったことがあるそうです。
 介助の手が足らない問題は、人さえ入れれば、数年後には解決していましたが、食事の内容は、なにも変わっていなかったんですね。
 だから私は、呑み込みやすい食事を作って児童に食べさせて、呑み込めたから次の食事がスムーズに入りますと報告して、地道に「食事内容を見直す必要性」への理解を、学校現場に広げていったんです。
 そういった活動によって教育委員会や、市議会にも問題意識を持ってもらえるようになり、議員さんが学校に視察に来るようになり、養護学校の食事内容の見直しが行われました。
 平成14年の9月から、北九州市立の養護学校のモデル校で一年間、段階食の試行が始まり、そこである程度の形を作ったんです。翌年には、別の肢体不自由の養護学校にも、広がっていきました。そう動かしたのは保護者の方だったんですね。PTAの方たちの陳情がきっかけだった。それがなかったら今の特別支援学校の食事はありません。
——問題意識があっても、そういうものなんだなって、どこかで諦めてしまいがちですよね。
牟田園 そう思うじゃないですか。もうこれはこう飲むしかないとか。でも、私は全然そういう風に思わないんです。何とかこの子のために出来ないかなって考えてしまう性分ですから、周りをついつい巻き込んじゃうみたいなことをやってしまうんですけど、いろんな方に助けてもらって、今があります。
——学校で導入された「段階食」というのはどのような食事なのでしょうか。
牟田園 「段階食」というのは、子供さんがいる方は分かるんですけれど、離乳の初期から中期、後期、と離乳食の段階が成長していくんです。特別支援学校の子たちもそうなんですよ。だけど、その食事の成長が、どこかで止まっているんです。
 発達遅延なので、ここの段階で止まっているかもしれない。ここの段階かもしれない。だから、5段階に大きくレベルを分けて、段階にあったお食事の形態を作ろうという風に考えたんですね。リハビリじゃなくて、「リ」がない「ハビリテーション(※3)」なんです。
※3 ハビリテーション=先天性障害や幼少時からの障害を対象として持っている機能を生かしてさらに発達させる治療
 離乳の初期だったら飲み込むところ、飲み込みがしやすい食事を作る。離乳の中期だったら舌(ゼツ)でつぶして送り込む練習段階なので、これが練習できる形態を作ろうと思って、それが今日のエビチリなんです。ここから先は咀嚼する練習に向けた料理になります。高齢者でいう介護食ですね。
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撮影に使ったエビチリ。やわらかく、
舌でつぶすとエビの旨味が広がり、
チリソースの甘味と溶け合って、美味しい。
——これまでの嚥下食には、どのような食器が使われていたんですか。
牟田園 学校給食ではそれこそ、アルマイト(アルミを加工したもの)とか、メラミンみたいな器を使ってましたよね。でも、嚥下食はそれでは盛り付けがしにくいので、メラミンの仕切りがあるものを使おうとか、お粥が食べやすいお椀にしましたけど、そこで「陶器」とはならないですよね。
作業量の事とか、調理員さんが洗うことを考えると、ついつい扱いやすい食器になっていましたけど、食べさせやすさを第一に考えながら食器は選ばせてもらってました。
「月翔(つきと)」は、社長がメラミンとかポリの食器はお嫌いと言うことで、一緒に器を探しに行って、陶器の食器を使っています。全然違いますよね。温かみがあって、食事をしているという雰囲気も出ますし。
清水社長 うちがやっているイベントで言えば、例えばバイキングのときには、ただの紙皿じゃなくて、ちょっとおしゃれなWASARAにする、という方法もあるだろうし。外に出るときは、いろんなものが重たくなってしまうから、その時にじゃあ何を軽量にできるかっていったら、じゃあお皿を紙にするかとかね。
 修学旅行だったり節目の行事って、その子にとって一大イベントというか、きちんとした形で思い出を作ってほしいと考えるんだったら、やっぱりそういう食器で食事を提供しなければいけない。そういう選択って、普通の選択になるよね。
牟田園 あれ(WASARA)がある。あれだったら、レストランの食器とほんとに見劣りしないですね。
清水社長 みんなが喜んでくれるっていうのが1番よね。プラスチックじゃないよね。

牟田園 百均の紙皿でもない、“食事”なので。
——修学旅行に七日屋さんの食事を持ってくこととなったきっかけは。
牟田園 普通はホテルに行っても普通食しか無いわけじゃないですか。だから先生方も、養護学校の子たちには、この食材はこう加工してくださいっていう食事の打合せを、現地に行って何度も説明するんですけど、なかなか思うように通じない。先生方からも、「どう説明したらいいですか」と、よく私に聞かれてたんですよ。
 そうしてホテルで対応ができない時は、普通のお食事をとって、先生方がミキサーなどの道具をいっぱい抱えて行って、料理を全部ばーっと、ドロドロにして器に出して食べる。それはもう本当に手間がかかるんです。
 でも、大体それが現実なんです。修学旅行用とか、遠足などの外出用のセットも用意していてそこに道具を全部入れて、行く前の日に全部消毒して「はい。これ持って行って」という風に持たせてたんですよね。
 その大変さを清永社長はご存じで、修学旅行を予定していた先生方が社長に相談され時、「無償で提供する」と即答されたんです。
清水社長 そういう問題って、昨日今日始まったことではない。何十年も経ってしまっているものじゃないですか。何十年も変わらなかったっていう。そこで、うちにある真空パックの嚥下食を使ってくれればいい。無料であげるよと言ったんです。
牟田園 そう言ってくださって、学校としては願ったり叶ったりですよねもう。
清水社長 そこで儲けても仕方ないもんね。
牟田園 でも、学校側からは、「普通食も料金を徴収しているので、嚥下食は無料という訳にはいかないから、普通食と同じ金額とってください」と言われたので、じゃあその分、豪華にして差し上げましょうね。デザートもつけましょうね。それだけじゃ物足りないということで、せっかくお金をいただいて、七日屋の製品分はいらないって言ってるんだから、私はこの費用を、お皿にかけたいと思って、WASARAを提案してみたんです。
——修学旅行には、特別支援学校の児童のご家族はいらっしゃったんでしょうか。
牟田園 子供さんの状態によって保護者が同伴しなきゃいけないと言うケースもあるので全員じゃないんですけど、ついていかれます。
——反応はいかがでしたか?
牟田園 とても喜んでおられました。「普段だったら、赤ちゃん用のメラミンのお椀しか出てこないのに、こんなに素敵で大人っぽいお皿で食事ができて嬉しい」と言うふうに書かれた感想もありました。
——WASARAがなかったら、やっぱりそういうメラミンとかのお皿に…
牟田園 なってたと思うんです。
清水社長 先生達からしてみたら、旅行中の食事って、結構切実な悩みだったんだよ。まず、行ける場所が限られてしまう。行けるホテルも決まるかもしれないし、食事の制約だけで全部決まってしまうって言ったら、どういうことがあってもその子に選択肢が「無い」ってことなんです。
 それが1番の問題。料理とか食器とか、たったそれだけを工夫すれば解決する話なんです。そこを解決して、もう少し選択肢が広がるんだったら、すごい良いことだよね。コロナで結局は行けんくなったんやけど、ちゃんとうちが、食事をいつでも出せますよと言ったら、どこでも行ける気がするんですよね。
牟田園 今後は七日屋からホテルに、真空包装のお食事を送って温めてもらうやり方も絶対あると思います。これは何度で何分間、温めてください。って、こちらの方で紙に書いてお願いをして、それをお食事として出していただけるような時代が来るといいなと思っているんですよね。私はそれを目指しています。お互いに助かりますよね。ホテルの方もね。
清水社長 その時に、WASARAも入れとくと良いよね。
牟田園 ホテルで盛り付けしてくださるんだったら全然良いんだけど、ちょっとした食堂とか、お昼ご飯にいく場所っていうのは、そういうお皿が無いと思うんです。ちょっとしたところで食べる時にも、綺麗なWASARAで食べてもらえたらいいなぁとか思って。
清水社長 うん、もうほんとにそう思う。
牟田園 選択肢がない方ですもんね。いろんな意味で。
清水社長 食べるものもないし。ラーメンとか食いにいけんし。
——いままで誰もやってこなかったということに、なんとなく社会の冷たさを感じますよね。
牟田園 本当にごく少数派ですからねぇ。
清水社長 ほんとにパーセンテージで言ったら、日本にどれだけいるか。事業ベースに乗らないって言う部分で。日本自体の障害に対する考え方っていうのが、まだまだ貧弱と思うんですね。
 少し環境を整えるとか、もう少し理解を深めるとか。七日屋が食事を作るってことが続いていけば、もう少し生きやすくなる。
牟田園 確かに生きづらいですよね。あの方達ね。
清水社長 修学旅行でもちょっと気を遣って、宿泊先に料理を送るだけで、旅行がしやすくなる。周りの関係者だけじゃなくて、社会全体がどういう風に考えているかっていう商売を、もう少し深めなければいけないところがあるよね。
牟田園 まずホテルで、この食事を作ってくださいって言ってもなかなかそれは難しい問題ですよね。だから七日屋の嚥下食を見てもらって、そこからまたこれ作ってみよう、お年寄りにもこんな方がいらっしゃるかもしれないといって広がって、そこでホテルが嚥下食を作ってくれるようになれば願ったり叶ったり。そう広がればいいですよね。
清水社長 どれだけ立派な病院でも結局、機械はあるんだけど、作れる人がいない。嚥下食を作ろうとすると人件費がかかる。だから病院っていうのは本当は取り組みたくても、普通の料理をミキサーに入れて、添加剤を入れて固めるだけ。それがやっぱり現状ですよ。
牟田園 全国的に困ってらっしゃる皆さんに、お届けしたいですよね。
清水社長 あとは、障がい者の人に、七日屋で働いてもらっているんですよね。
 あの子たちがもうちょっと自分のできることが増えたり、一般就労ができるようになったり、みんなと働いている中でも自分の居場所ができる。自分の仕事がきちんとできた方が楽しい、こうやったら仕事任せられるよね、この子が必要なんだよねって言える環境を作っていくのが目標ではあります。
牟田園 日本全体でもいいし、世界にも広がっていけば良いなと思っています。七日屋がそのモデルとなる会社になればいいなと思うんです。
清水社長 その前に「嚥下食」って何なんだっていう話だもんね。
牟田園 まだまだご存じない方は多いですよね。
——“嚥下食に相対する時”って、もう本当に必要に迫られた時ですもんね。
牟田園 しょうがないですよね。困ったときに七日屋にたどり着いてくださればいいし、その時にお届けできる体制を整えておいて行けたらいいなと。
——生きていて最後に頼れる食事が「嚥下食」ということは、私達のように“健康な状態”ではまだ想像がつきませんでした。
牟田園 嚥下食って、最後のワンスプーンになるんです。
 でも今だって、決してそうなっていない。誤嚥の危険があると、食事にストップがかかって、胃瘻から食事を摂るのが最後っていうのが一般的なんです。そうじゃなくて、最後の最後までお口からおいしいものを召し上がっていただきたいんですよね。
清水社長 私の会社を利用している方たちは重度の障害なので、30代くらいで亡くなる方が多いんですよ。40歳まで生きられる方は本当に少ないですね。
牟田園 最近少し増えましたけどね。
清水社長 だんだん口から栄養を摂れなくなって、最終的には鼻から、経管を入れて栄養を摂るんだけど、実際に食べれる時間ってどれくらいなのって。最終的に口から入れられるものって言ったら、嚥下食しかない。普通の食事って絶対食べられないから。
 それは高齢者にも言えることで、最終的に口に入れるのは嚥下食しかないと思う。そのあと鼻から管を通したり胃瘻なりあるんだけど、やっぱり最後の食事っていうのは嚥下食なのかなぁって思う。鼻から管を入れた時点でそれは“食事”じゃない。
※経管栄養法:鼻や口から胃にチューブを入れて栄養を取る
——生きながらえるための“栄養”というか。
清水社長 そうそう。本人がそれ望んでいるかって言うことですよね。
それに至るまで結局、何回も誤嚥して、状態が悪くなって、食事が口から出てきて、誤嚥して状態が悪くなっていって。最後は、結局鼻から入れることになる。その誤嚥の原因は、やっぱり家庭での食事だよね。だって、80、90歳のお爺さんのために、80、90歳のお婆さんが嚥下食を作れるはずがない、せいぜい刻んだりはするけどそれがまたいけないんだよね。
牟田園 チョキチョキしたって硬いですから。あれでは引っかかっちゃいますよね。噛めないので、要するに、柔らかくしてあげないと。
清水社長 そういう悪循環があって、栄養状態が悪くなると、どんどんマイナス方向に行ってしまう。だから嚥下食って大事なんだよね。
牟田園 人が亡くなる原因の上位に、肺炎がありますからね。ですから普通食から、いきなりチューブになったりする。食止め(※)もありますし、医療体制の問題もありますが、ちゃんとした嚥下食そのものが無いのが原因でもあるし、食べさせる技術が無いのもある。でも、これ(七日屋のしあわせごはん)があれば使えるぞって選択ができる方には、ぜひ使って欲しいですよね。
※食止め=治療や検査のため食事を停止すること。
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