東武練馬駅から少し歩いた住宅街の一角に、ふと足を止めたくなるようなお店があります。店の名前は「粉の日」。
焼き菓子と季節のかき氷を中心に、
粉もののやさしいお菓子を届けているお菓子屋さんです。
お店の扉を開けると、どこか懐かしさを感じる空間に迎えられて、
ふわっとやわらかな空気が流れ込みます。
やわらかく人を迎え入れるような空気感は、
オーナー橋本さんの人柄そのもの。
常連さんも多く、初めて訪れても、どこか懐かしく安心できる空間です。
「小さい頃から、ずっとお菓子を作っていたんです」
橋本さんにとって、お菓子作りは特別な出来事ではなく、
ごく自然な日常の延長でした。
粉ものが好きで、自然と焼き菓子へとたどり着いたそう。
アイルランドのカルチャーや音楽、魔女の世界観にも惹かれ、
呼ばれるように現地へ留学。
お菓子作りを学び、
今の「粉の日」にもそのエッセンスが息づいています。
アイルランド好きのお客さんとの会話が弾むこともしばしばです。
焼き菓子と、夏のかき氷。
この夏いただいたのが、季節限定のかき氷。
「あんず」は、長野県・相澤農園さんのもの。
シロップは砂糖とあんずだけというシンプルな構成ながら、
果実の味わいがしっかりと伝わります。
「新生姜」は高知県産。
ほんのり香るシナモンが、甘さの中にやさしいスパイス感を添えています。
かき氷を始めたきっかけは、
一緒に店舗運営をしている妹さんの提案と、映画『めがね』の一場面。
もたいまさこさんが氷を削ってゆであずきの上にのせるシーンには
心が動きます。
器には、WASARAのワインカップを使用。
使い捨てにしたくないくらいに美しく、日本を感じるデザインで、
生産者さんのフルーツに合う器として選んでいただいたそうです。
「粉の日のかき氷には、
WASARAさんのカップ以外は考えられませんでした」と、
おっしゃっていただけました。
焼き菓子は、旬の素材にこだわり、
その季節に一番おいしいものを選んで丁寧に焼き上げています。
素材へのまなざしもとても真摯です。
空間にも宿る、やさしさと手仕事
店内には、日本各地の作家さんの器や、
雰囲気あるアンティークの木製カウンターが印象的に配置され、
温もりと静けさを感じるしつらえに。
メインカウンターに使われているアンティークの台は、
約100年前のもので、あたたかな木の風合いが、店の雰囲気にぴったり。
カウンターの下には翁硝子や、
日本各地の作家さんによる器や作品も並びます。
もうひとつ目を引くのが、店の照明。
これは、小田原の役所で廃棄されそうになっていたものを譲り受けたのだとか。
無駄にせず、美しく息を吹き返した光が、店の象徴のようにも感じられます。
板橋という土地と、「粉の日」のこれから
「粉の日」があるのは、橋本さんの地元・板橋。
この場所で周囲の人たちが物件を探したり、図面を引いてくれたり、
自然と「ここで始めてみよう」とお店を構えた「粉の日」。
あたたかくて朗らかな空気が、店に満ちていて、
また帰ってきたくなるような余韻を残します。
お店の最新情報や営業日は、
Instagram(
@kona_no_hi_)をチェックして、
ぜひ一度足を運んでみてくださいね。